豊富な実績と
「ベンチャーファースト」の精神で
大企業×ベンチャー企業の
新たな事業共創を実現

2011年に設立したKDDI∞Labo。
事業会社として、他社に先駆けて取り組んできたベンチャー企業の事業支援。
どのような特長があり、どのような成功事例があるのか。
現場で携わってきたこそわかる苦労と、やりがいに迫りました。

清水 一仁

清水 一仁ビジネスインキュベーション推進部
マネージャー

鈴木 彬子

鈴木 彬子ビジネスインキュベーション推進部
主任

大橋 麻生

大橋 麻生ビジネスインキュベーション推進部

※掲載されている情報は、撮影当時のものとなります。

KDDI∞Laboでは、
どういったことをやっているのでしょうか?

清水 鈴木

KDDI∞Laboでは、アクセラレータプログラムと呼ばれるベンチャー企業の育成プログラムを提供しています。毎年、5〜7社のベンチャー企業を公募から採択し、半年間のプログラムを行っています。彼らが困ったときに相談できる、多彩な知見をもったKDDIの従業員がメンターとして付き、KDDIの資産やメンターの専門性と、ベンチャー企業にしか持ち得ないテクノロジーやアイディア力を掛け合わせて、新たなサービスや事業を共に創っています。

鈴木 清水

設立当時は、携帯電話端末からスマートフォンへの移行期。KDDIには、これまで積み上げてきた携帯電話端末のビジネスが一変してしまう強い危機感がありました。そんな課題意識から、ベンチャー企業に対する支援を通して共に次世代のビジネスを創っていこうというコンセプトにて、KDDI∞Laboを立ち上げました。

大橋 大橋

ベンチャー企業の成長を支援する時に、私たちが大事にしているのが「ベンチャーファースト」という考え方です。ベンチャー企業が成長して独り立ちできるまでは、私たちがもっているノウハウや顧客基盤、資金などをとにかく「give」する。その過程の中で、ベンチャー企業が持っている最先端の技術力やアイディアが良い影響となって返ってくると信じて、ベンチャー企業と向き合っています。

大橋 清水

KDDI∞Laboには、国内のアクセラレータ※としては他の事業会社に先駆けて取り組んできた歴史と実績があります。さらに特長的なのは、パートナー連合と呼んでいる日本の大企業36社がそれぞれのミッションを背負いながら、KDDI∞Laboのプログラムに参画してベンチャー企業をサポートして頂いていることです。パートナー連合の皆さんも「ベンチャーファースト」という志をもっているので、自社のアセットを積極的に提供して、日本全体でベンチャー産業を盛り上げて頂いています。 ※大手企業によるベンチャー企業の育成支援のこと、または支援する企業(団体)のこと

それぞれ3人は、
どのような役割を担っているのでしょうか?

清水 清水

私は、KDDI∞Laboの方向性を示し、メンターの管理、パートナー連合との関係構築、育成プログラムの企画など、全体を統括しています。

鈴木 鈴木

私たちは、ベンチャー企業の事業が前進するように、ベンチャーとKDDIの各部門、そしてパートナー連合とをつなぐ、橋渡し的な存在です。そのため、いかにベンチャー企業と大企業が同じ目線で共創できるかが大きなポイントです。それを醸成するために、ベンチャー企業や大企業に対して全体集会を月1回ペースで開催。私は、その集会の企画運営を担当しています。

大橋 清水

2018年12月には「KDDI DIGITAL GATE」とコラボして、ワークショップを実施しました。「KDDI DIGITAL GATE」は、大企業が抱えている課題をKDDIのテクノロジーやノウハウを生かして解決するための開発拠点として、2018年の9月にオープンしました。今回は、この場所で大企業向けに実施しているワークショップをベンチャー企業の皆さんにも体験してもらい、新たな化学反応を生み出しました。

大橋 大橋

私は、KDDI∞Labo主催のイベントの企画運営やPR活動を行っています。イベントでは、ベンチャー企業の支援になるようなHR関連のプログラムや、VRなど最新技術を使って楽しみながら挑戦できるプログラムを企画しています。もう1つのPR業務ではKDDI∞Laboの知名度を高めるため、SNSなどでの情報発信に力を入れています。

ベンチャー企業と
KDDIの各事業部(または大企業)の
橋渡し役として
大切にしていることと、
やりがいを教えてください。

清水 清水

私の場合は、ベンチャー企業の事業やサービスを最後まで信じて、伴走すること。そして、協業の可能性のあるKDDIの事業部門や大企業に対して、ベンチャー企業の魅力を的確に伝えること。それも一方的に伝えるのではなく、コミュニケーションの中で相手の課題を探りながらピースの足りない箇所を見つけ、手持ちのピースをあてはめていくようにアプローチします。やりがいは、もちろんそのピースがハマった時です。

鈴木 鈴木

大切にしていることは二つです。一つは、大企業であってもベンチャー企業のスピード感に合わせてもらうこと。そしてもう一つは、ベンチャー企業の現状を正しく把握すること。それによって、今ベンチャー企業に足りていない情報やアセットを即座に補完することができます。ベンチャー企業の方たちと信頼関係が構築できたと感じられる瞬間が、一番のやりがいです。

大橋 大橋

私は、常にベンチャー企業の目線を忘れずに進めていくことが大切だと思っています。大企業への提案の際にも、ベンチャー企業の事業を自分の事業だと思って、必要な知識を身に付けて臨んでいます。そして、ベンチャー企業が進めているプロジェクトがある程度形になった時や、ニュースリリースなどに会社名やサービス名が載った時に、同じ目標が達成できたという気持ちで充実感が得られます。

これまでの成功事例を教えてください。

清水 清水

例えば、KDDI∞Laboの第1期生に「giftee(ギフティ)」というベンチャー企業があります。LINEなどから友人にちょっとしたギフトが贈れるソーシャルギフトサービスを展開しています。創業当初は、提携先を開拓するために営業に同行したりして、メンターが伴走できることはすべて行い、加盟店を獲得していきました。今ではauスマートパスというKDDIの主力サービスと事業提携を行うくらい大きく成長しました。

鈴木 大橋

最近だと、2018年に次世代プログラムに採択されたYAMAP(ヤマップ)という企業がKDDIとの事業共創をスタートしました。YAMAPは、電波が届かない山の中でも、無料で地図と現在位置を見ることができるアプリサービスを提供している会社です。メンターの1人がKDDIのドローン事業部の課題を解決するために、YAMAPのノウハウが活かせることに気づいたおかげで、YAMAPはKDDIのドローン山岳救助支援システムの実証実験に参加することができました。

大橋 鈴木

2011年の設立から、KDDI∞Laboによる採択企業は66社、KDDIのファンドによる出資先は50社を越えるまでになりました。その中で、20社以上のベンチャー企業がKDDIと事業共創を行い、そのうち5社が最終的にKDDIグループにジョインしています。

今後の目標や実現したいことは何ですか?

清水 清水

このKDDI∞Laboの取り組みは、今は首都圏中心ですが、海外からも「参加できないか?」という問い合わせが増えています。今後は、そうしたニーズにも応えられるように、全国そして海外にもプログラムを広げていきたいと思っています。

鈴木 鈴木

私の場合は、パートナー連合を含めた一体感を高めていきたいと思っています。具体的には「ベンチャーファースト」という考えをパートナー連合の皆さんへもさらに浸透させるのが目標です。そのために全体集会で、大企業との事業共創経験のあるベンチャー企業の経営者をゲストにお招きし、これまでの取り組みを赤裸々に語ってもらうようにしています。こうした地道な活動の積み重ねが、多くの事業化につながったと自負しています。

大橋 大橋

このKDDI∞Laboのアクセラレータプログラムは2018年で13期を迎えます。多くの卒業生を輩出してきましたが、卒業生同士あるいは卒業生と現役採択企業との連携には、まだまだ可能性を感じています。これほど、豊富な知見をもった卒業生との強固なネットワークがあるところは、他のアクセラレータにはありません。これから参加しようというベンチャー企業のためにも、卒業生同士のコミュニティを早急に創っていきたいと考えています。

揺るぎない信念をもった
メンターたちの
支援により、
ベンチャー産業を活性化し、
日本経済の成長を後押しする。

ベンチャーファーストの精神をもって、ベンチャー企業の事業を支援してきた「KDDI∞Labo」。KDDIの各部門や、日本の大企業と連携しながら、ベンチャー企業との橋渡しを担うことで新たなビジネスを創出し、ベンチャー産業の活性化、ひいては日本経済の成長を後押ししています。その一端を担っているのは、間違いなくKDDI∞Laboの活動です。これまでの知見、卒業生のネットワークを生かし、オリジナルのアクセラレータプログラムを、全国そして日本へ展開しようとしています。

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